管理建築士とは?
設計事務所の開設者は、一級建築士事務所なら一級建築士を、二級建築士事務所なら二級建築士を、木造建築士事務所なら木造建築士を、専任管理者を置かなければならないのです。この専任管理者を管理建築士と呼びます。
管理建築士は建築士として3年以上の実務経験に従事した後、国土交通大臣の登録を受けたものが行う講習の課程を修了した建築士でなければならないのです。
本日、この管理建築士講習を受講しました。
合否結果は一か月後です。
なぜ管理建築士が必要になったのか?
十数年前までは、建築士であれば管理建築士に無条件でなれたのに今では3年の実務経験が必要になったのは、ある事件が関係していました。
構造計算書偽造事件
2005年11月に表面化した構造計算書の偽装事件は、みんなの建築に対する安全・安心を脅かす大きな社会問題となりました。この事件で元一級建築士が構造計算書を偽造し、多くのマンション等の耐震性が実際に不足する事態を引き起こし、多くの住民の安全・安心に大きな支障を与えました。
この事件は構造計算を担当する建築士が、専門職として本来、法令を遵守すべき資格者であるにもかかわらず、職業倫理を逸脱して構造計算書の偽装を行ったものであります。また、この偽装を、設計図書の作成、建築確認、工事施工等それぞれの段階で、元請けの設計者、指定確認検査機関、建築主事等のいずれも見抜くことができず、建築確認や検査体制に対する人々の信頼を失墜させました。
あの姉〇事件であります。
再発防止策
この事件を契機として、再発を防止するため、人々が安心して住宅の取得、建築物の利用ができるよう、建築基準法や建築士法をはじめ建築・住宅行政上のさまざまな課題を検証し、制度の見直しを行うことになりました。
これを踏まえて、国土交通省は「建築物の安全確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案」を国会に提出し、同法案は2006年6月に成立しました。
最後に
建築士として法令を遵守するためにも、また建築士として社会に適正に貢献していくためにも、技術の向上や知識のインプット・アウトプットをおこなっていかなければならないと感じました。
法に定められた規範にもとづく責任はもとより、それより高い次元にあるプロとしての倫理規範にもとづいて果たす責任があることを旨み刻みます。
今日はこの辺で。