ゆきさと日記

日々の日常、仕事や趣味なこと。描いてます

【スノーボード】やるなら知っておくべきレジェンド

トラビス・ライス

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歴史を語るうえで、そのストーリーを動かした重要人物に触れないわけにはいかない。本項では、今なお語り継がれるレジェ ンドからシーンの最前線をひた走る現役ライダー、そして、日本人としてグローバル史に名を連ねる価値を持つ男たちに迫った。彼らの偉業や功績を知ることで、これからのスノーボードライフに活かせる何かがあるかもしれない。

クリフ、シュート、マッシュ、ツリーの宝庫。諸外国から多くのビジターを集めるほどのドライパウダー。標高が2,000mを超えるため、日常の滑りが高地トレーニングの趣きとなる。

 まさにフリーライディングを味わうための場所という世界的にもレアなリゾート、ワイオミング州のジャクソンホールをホームマウンテンとするからこそ、トラビス・ライスは生まれた。身体が強く、フリースタイルのセンスは抜群で、スティープなラインを攻めることもできるのだ。

 デビューは鮮烈だった。2001年、アメリカの「SNOWBOARDER MAGAZINE」がプロデュースするSUPERPARKというイベントでのこと。ワイオミングからカリフォルニアのマンモスマウンテンへ長距離ドライブを経た後に、当時18歳のトラビスはバックサイド・ロデオを110フィート(約33.5m)のギャップでメイクした。30m超のスーパージャンプを見せたスノーボーダーは即座に話題となり、その場に居合わせた映像プロダクション、ABSINTHE FILMSのクルーがアプローチをし、撮影の約束を取り付けた。結果、トラビスは映像作品『TRANSCENDENCE』のなかでフッテージを獲得し、世界中へその名を知らしめることになる。

以降、トラビスはコンテストの大舞台でも結果を残していった。US OPEN、THE ARCTIC CHALLENGE、X GAMESというメジャー大会で優勝を飾り、しかもレール、クォーターパイプ、スロープスタイルとフィールドを問わずに好成績を残してきたところに、スノーボーダーとしての完成度の高さを見ることができる。

 さらにバックカントリー環境でのイベントを模索し、自らプロデュースを行った。それが、2008年に地元・ジャクソンホールで開催された招待制イベントのNATURAL SELECTIONだ。

 イベントは2つのコースで行われ、それぞれの勝者と総合の勝者が生まれる仕組みになっていた。コースのひとつは沢地形で、その両サイドに人工的なキッカーを20カ所ほど造り、1週間ほどコースをクローズして雪を降らせたままにしたもの。ひと晩で50cmの降雪が見込めるリゾートだけに、イベント開催時には、バフッ、という音が聞こえてきそうなほどにフレッシュなパウダー状態となっていた。もうひとつのコースはボウル地形。バックカントリーエリアでの開催であることからも、リゾートとトラビスとの間に深い信頼関係が築かれている証拠を示してもいた。

 まさしく様相は、自然地形と人工物を組み合わせたフリーライディングイベント。なかでも印象深かったのは、沢地形におけるトラビスのライディングだ。雪が深いこと、高地であること、といった理由から攻略に難を見せていたライダーが少なくないなか、トラビスはフルスピードでセクションにエントリーし、飛び、回り、荒れた深雪の斜面にブレのないストンプを見せ、すべてのセクションを攻略していったのだ。

 馬力が違う。天性の才もあるが、ジャクソンホールでそのタレントに磨きをかけたライディングは、何よりたくましさという点で異彩を放っていた。

 このNATURAL SELECTIONをいっそう進化させたものが、ボールドフェイスでのSUPERNATURAL。シーズンオフの間に木材でセクションを造るこだわりようで、フリースタイル要素を取り入れたフリーライディングをバックカントリーで披露するという新世界を、スノーボード界に提示した。

 過去のキャリアが示すように、最先端を激走する者の目には最新の事象しか映っていないのだろう。映像でも『THE ART OF FLIGHT』を手がけ、ここ数シーズンにわたって白馬で長期間コモリ、何度もヘリを飛ばしながら新作の撮影を行っていた。

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今日はこの辺で。